Cookie Clicker 症候群

「拡散」という形でどこからともなく広がっていくソーシャルメディアの力をひしひしと感じる今日この頃いかがお過ごしですか。

そんなこんなで、Cookie Clicker なるゲームがにわかに流行ったこの3連休。
私も半日回してた程度ではありますが、考察とまでいかないまでも色々思う所があったため流行に乗って記事をしたためてみた次第です。
 まぁにわかやな、そこは勘弁してください。にわかじゃなくなったらそれは廃人や。

○第一印象:「皆して同じ話題を・・・洗脳かよ」
 A:洗脳でした。

ゲームとしてはただクリックとオート処理アイテムでクッキーの数を増やしていくだけ、というもの。
実際問題、「クッキー増やすためのアイテム」を増やすためにクッキーを増やす、というゲシュタルト崩壊を起こしそうな無限ループに身を置くのみ。
手に入れたクッキーで他に何ができるわけでなく、手段も目的も増殖のみ。
これはこれで原初生物的な根本願望みたいだとか思ったりもしますがさておき。
雰囲気では一体何が面白いのかわからないものですが、実際に触れるとそこには中毒性があった。

―私が陥ったスパイラル―


といったカンジ。
ながら運転のつもりがちょこちょこ触っているうちにズルズルと作業における比重が上がってゆく。
ある程度成果が見えたらそのままやりこみプレイの発想に引きずり込まれ、廃人の道を歩む。

○中毒性の源は何か
 なぜ目的の無いものに理由もなく触り続けてしまうのか。
 狙ってか偶然か、それはこのゲームの仕様にあると感じました。

1・無料、ロードなし
2・クリックして増やしてもいいし、婆ちゃんに任せて放置してもいい
3・買えるクッキー量を満たしたら、自動更新ですぐにわかる
4・刻々と途切れなく変化する生産クッキー量
5・起動中は自動増加、閉じると停止
6・申し訳程度の収集要素
7・しれっと投入されたランダム要素
8・わけのわからない、バカバカしい世界観設定

これらが相乗効果を生み、「やめられない」状況を生んでいる、そのように感じました。

以下、これらの項目の個人的雑感による解説。
1・無料、ロードなし
 初動における最強の札。
 「はじめよう」という意思が必要なく、ただ表示されたクッキーに興味本位で触るだけでスタートする。
 購入・登録といった萎えるプロセス・覚悟するフェイズがないため取り込み力が非常に高い
 とりあえずでやってしまい、拡散され知った人々がアリジゴクの如くクッキーユニバースに誘われることに。
 人口を増やす術は、また人口を増やす事なのだ。あたかもクッキーのように。

2・クリックして増やしてもいいし、婆ちゃんに任せて放置してもいい
 内容は言ってしまえば究極的に単純化されたルーチンワークなわけでして。
  それは「費やす」ことであり、苦手な人は苦手。
  しかし、定石が確定しうるゲームの行きつく先はすべてルーチンです。
  モンハンすら、モンスターの動きプログラムを覚えたら逐次対応するのみの作業ゲーとなります。
  だから対人要素などで硬直化を解消するものだという私見です。

 しかしこのゲームはルーチンを課すことだけが能ではない。代行者を用意しているのだ。
  行動そのまま自動化のカーソルというわかりやすいツールに始まり。
  ベーカロイドのババア、農業工業鉱業輸送といかにも生産性の上がりそうな上位アイテム。
  さらに錬成ワープ時間再生ダークマターと、ファンタジーSFの世界へ漕ぎ出してゆく。
 任せる相手がいるため、作業ゲーを嫌う層にも訴求力がある
  人材・コストの管理というクリエイティブなプレイを提供している。
 逆に自動処理が多すぎて自分の手が届かないゲームに面白みを感じにくい層もいると思われる。
  そんな作業ゲーを厭わない、むしろ自力での達成に貪欲な層もクリックゲーとして遊べる。
 しかるに、対象層が幅広いともいえる。プレイスタイルに性格が出る。

3・買えるクッキー量を満たしたら、自動更新ですぐにわかる
 インターフェースの話題。
 購入可能ビルドは初めから初期価格が表示されており、目標がわかりやすい。
 またアイテムはロック解除で存在が表示され、「できるようになったこと」も一目でわかる。
 そして必要クッキーに到達すると明転し、「今できること」も一目瞭然なのだ。
 更に特筆すべき事項として、スクロールこそあれどこれらは全て1画面に収まっている
 メニュー画面を開く手間もなく、即決クリックで行動できるのだ。
 ひととおり全て表示されているため、選択肢の比較も容易である。
 2ウィンドウで開きっぱなしにしておけば達成タイミングが把握しやすく、「待ち」のストレスも薄い。

4・刻々と途切れなく変化する生産クッキー量
 クリッククッキー上でリアルタイムカウントする生産量と、流れ続ける背景クッキー。
 これもライブ感を煽り、初めの1枚づつ落ちていた姿から中盤以降の確変状態になった達成感。
 特性上ひたすらクッキーを貯めるよりも少しでも早くビルドに還元した方が総生産数は上がる。
  常に追われている感の演出にもなり、釘づけにして続けさせる能力にも長けている。

5・起動中は自動増加、閉じると停止
 (詳しくないものの)艦これなんかは、時間回復要素があることで課金の回復アイテムがなくてもプレイが成立することが人気の秘訣の一つらしい。
 そちらはシャットダウン中でも適用されるが、こちらは起動中しかババアたちは働かない
 時間を費やせば費やすほど成果になるのはご想像の通り。
 そのため、起動状態の維持が要求される、正確にはその強迫観念に駆られる
 「中断」というメリハリを与えないのだ。止まらないから常時片隅に考えるようになり、中毒へ一歩進む。

6・申し訳程度の収集要素
 MMOが苦手な層の理由の一つに、「目標が無いとやることを見失う」というものがあったりします。
  このゲームもろくなゴールがないため、一定期間で飽きるかと思いきや。
  地味に収集要素も2項目も確保しているんですよね。
  収集要素の強さは、ポケモンの大勝利とコレクターという言葉の存在からも窺い知れます。

 結局はクッキー焼いた先の成果ですが、ロック解放という条件達成の謎解きがあるため試行錯誤の余地を生む。
 「ババアを売却する(愛してると思ってたのに)」なんて斜め上の条件もあるのだから侮れない。
 その上「反物質コンデンサ100機」なんて途方もない事この上ない条件もあり、やりこみ好きには無限の宇宙に漕ぎ出せる環境。
 個人研究上は費用効果の良いカーソルとポータル優先でいいと思われますが、他も蒐集のために駆使する必要がある。
 目的設定の種も撒くことで、廃人をつかんで離さない。

7・しれっと投入されたランダム要素
 一定段階まで進むとポータル辺りが自力クリックよりも高いCpsを叩き出し始めるため、クリックの手を止めることも。
 そこで放置ゲーになることも一つのプレイスタイルですが、ゴールデンクッキーなる一定時間しか出現しないボーナス要素が存在する。
 最高効率プレイを目指すには逃すに惜しいメリットを持つため、放置も許さない
 もちろん無視して知らない幸せもありますが、求める人は求めてしまう。
 トレカ・ガチャのレアカードのようなランダム性をもった希少価値は射幸性大きいですしね。
 運命めいたものを見出しがちで、これも中毒化して求めてしまう。

8・わけのわからない、バカバカしい世界観設定
 クリックでクッキーができます。は?
 おばあちゃんをグレードアップするとミュータントババアになります。はァ?
 クッキーを畑で育てます。鉱山から掘り出します。ハァァァァァ?
 金からクッキー錬成します。過去から喰われる前のクッキー集めます。クッキー宇宙・・・

       

 クッキー中心で回るカオスな世界を、断片的な情報から匂わせるシュールさ。
  それでもクリックし続け、気づけば異空間に違和感なく身を置くのです・・・。
  そして日本人は、人物がババアだけでもキャラクター性を見出したのであった(絶句
 システムと同等に、重要とされる世界観設計。
  ただのパズルゲームに、魔導物語のキャラと世界観をあわせヒットした「ぷよぷよ」など。
  ワンモチーフでこれだけ病みつきになる世界観を与えたのは凄いとしか言いようがない。



といった形で、システム・デザイン共に、中毒化に全ベクトルが振られているように感じた次第です。
もう、ゲームの面白さって何だろうと頭を抱えるほどに、抽象的というか原始的というか。

○中毒マーケティング
 で、私の場合はセーブデータが飛んでスパッとやめてしまえたわけですが。
 なんというか、ポケモン廃人とその卒業を1日でやってしまった気分なんですよね。

 続ける理由→先があるから(カウント回ってるから)
 辞める理由→先がないから(カウント止まってるから)

 たったこれだけと言わんばかりに。
 だからこそ、先の無い閉塞感を作らないように、新弾やアップデートといった拡張が続くわけですね。

 それで、こうして見いだせる仕組みはどれぐらい活かされているのか、とほんのり考えるわけですよ。

1・導入が楽
2・選択の余地がある
3・情報が一目
4・定期性
5・途切れない
6・目標設定
7・射幸感
8・世界観設定

今回の8カ条を一般化すると、こんな形になると思われます。

中毒ってのはある種「習慣化されている」ことでもあり、続いていることがそのまま続ける理由でもあると思います。

TCG廃人の思考

こんな感じで、思考の一部分に常時食い込ませることに成功すれば立派な中毒養成に成功と言えるでしょう。

遊戯王の制限改訂の定期性も、「半年(今後は四半期)超えればこの環境も落ち着く」というある種の信頼を生んでいると言えるかもしれません。


漫画を例にとると、定期連載という形式は、物語である以上世界観・目標の設定ももちろんのこと定期性が一番の強みなのでしょう。
それでも週刊で6日間という途切れは確かに存在するため、WEB誌のような日ごとに更新し定期性を広げるのも週刊・中毒化の一端を担う戦略なのでしょう。
 現行最新の中途のみ掲載で新規導入に厳しい点は弱みでもありますが、そこは第一話掲載などでの対応も。
尺稼ぎと言われつつも、アニメ「宇宙兄弟」の概要・あらすじもそういった効果があるのでしょうね。


そうなるとペース早いほど最強ってわけで、日刊連載されてる方なんかも凄いですよね。新聞4コマとか。
特に徒然チルドレンの若林先生なんか、過去話全公開・ある高校という箱庭的世界観と、自分が挙げた中毒要件大体満たしてる。
かくいう私も先生フォローして更新情報流れるようになってから中毒気味。

徒然チルドレン

中毒ってのは害のような表現ではありますが、「固定客を得続ける」という商業戦略でも重要な点であったり。
終わらないモノっていうのは、消耗品にされないという最大の利点となりうるようです。
その要素が高密度につまったフリーゲーム、かくも恐ろしいものです。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : PCゲーム
ジャンル : ゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

戸付湯歌

Author:戸付湯歌
たかが知れている。

思いつきはツイッター経由。
 思考の嗜好であり、試行の歯垢に過ぎない。

主に遊戯王のカードやデッキの考察、自分専用まとめwiki。
たまに漫画・アニメ評とか。
神海英雄先生のソウルキャッチャーズは永遠の魂です。

主要記事
遊戯王 過去の妄言
ご当地大戦 布教用考察
SoulCatcher[s]章別感想

最新記事
カテゴリ
履歴
マーケティング
TL
検索フォーム
最新コメント
QRコード
QR
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ