ソウルフェージュ"舞う桜"

苦節1年。

リアルタイム進行の2014冬を超え、1年越しの春の歌。

Op.53 believe
Op.54 自由への招待
Op.56 Still We Go
Op.58 ラストメロディー
Op.59 虹を待つ人
Op.60 人間ってそんなものね
Op.61 春の歌 

7つの歌に彩られた物語。

このブログでは、「苦悩を通して歓喜に至る」、その最初の作者コメントを信じ寄り添い紹介を続けてきました。
だからこそ、歓喜に至るその姿をこの目に収めるまでは語るわけにはいかなかった。
例え、隔月刊誌に移ろうとも。


そうこうしているうちに2巻超分。
週刊連載のままであれば20話近く、それでも半年掛かりの大仕事だったのかもしれません。

重くもたれかかるミステリーの要素も多分にあったこの”舞う桜”編。

「あなたに金井淵涼は止められない」
「おまえに星合美子は掴めない」
「あなたに川和壬獅郎は起こせない」
「おまえに言う事は何もない」

どこまで読み解けたか、追わない事には私も前に進めない。
ソルフェージュ、読譜解釈をもじってソウルフェージュ、心の読み解きと題し、まとめてみたいと思います。
3巻分にも及ぶ膨大な量であるため、いつものようなあらすじを追うような形式ではなく、ちりばめられた要素に対しての考察への回答といったテキストベースの内容となっております。
判明事項を語る都合、妙に断定的な表現になっておりますが、謎本ぐらいのノリで触れて頂ければ。


引用元: 週刊少年ジャンプ2014年28号~31号 『ジャンプNEXT』 2014Vol4.5.6 2015Vol.1.2 
Op.46 錯乱のHr. 「隠しきれない季節が来た」

●なぜアンサンブルコンテスト編を挟んだのか?
 演奏会をゴールとするためならば、わざわざスプリングコンサートを設けなくても雅のように大会の舞台で決着をする選択肢もあったはずです。
 主題曲が「春よ、来い」なので、冬の終りとともに雪解けさせることもできたはず。
 しかしひとつ、そこまでに描写すべきものがあった。それが「独りよがりでは限界を迎えている金井淵」。
 だからこそ、全国大会の場で金賞を取らせることは出来なかった。なにせ、これから歩みだした雅と違い、完成・解決を見れば一つの答えとなる「桜の音」の達成が攻略の目標なのだから。
 さらにもうひとつ、足掛かりとして外部要因、新入生が必要だったため。
 ずっと4人で隠してきたものを推理しようにも、奏馬や御器谷のような入口が居ない以上何も動かせなかった。
 そしてもう一つ、大会として必要なものに身を任せるだけでなく、神峰が選び取った場であることに意味がある。


●「儚いから かなぁ」 
 何故苦手なはずの桜をみていたのか、という問いに対して。
 本当の理由は、兄である咲良に想いを馳せていたからか。または桜の匂いのする音に対してか。
 どんな幸せな時間も、たったひとつ、突然の不幸で失いうる。それの表れが「儚いから」。

  R指定のため全容は載せません   でもこの棘、外側なのよね 絵的な都合でしょうけど

●時の止まった桜に鎖で縛りつけられ血を流す自身
 平気な顔でかなり無理してたこと 叫びたいのに懸命に微笑んだこと
 これまでの心象の中でも、特に衝撃的な様相を示していた舞の心象。
 後に神峰は鎖の正体を「共感覚による苦痛」と考察し解放を目指す。
 「咲良は家族だが、共感覚という呪いを与えられた相手でもある」
 「苦痛である共感覚によって桜の音を目指さないと涼は救われない」
 このような、今の咲良・金井淵を大切に思う気持ちと共感覚に向き合い切れない苦しみの板挟みの表れが本質か。
 解放前後での大きな違いは2点。鎖の棘が無くなったことと、桜の樹と同化していない事。
 棘は共感覚が辛いものであるという象徴。これがなくなり、また文字通り手足となって自身の一部と認められた結果。
 止まった桜との同化は、「過去の咲良と同じようにならなくてはならない」という深層的な脅迫観念。
 わかれた後も、咲良・桜の音の思い出を大切に思う心の象徴として、改めて残り続けた。その時は動き始め過去だけではない。


Op.47 春風駘蕩 「穏やかさだけでは道は拓けない」

1 春風がのどかに吹くさま。「―たる穏やかな日和」
2 物事に動じないで余裕のあるさま。ゆったりとのんびりしているさま。「―たる大人(たいじん)」
    ---デジタル大辞泉より

●「誰にも桜の匂いは感じ取れない」
 もう何も言えずに 頷く私に 聞こえないメロディー
  感じ取れる者がいなくなり、本人も斬り倒す、忘れることを望む在りし日の歌。
 何故シナスタジア所有者の誤認を招く必要があったか。たとえば、「5人目」に発想が至らなかったことの表れ。
 この辺は、神峰の思考の行きづまりの表現ともいえる。額面通り、現状知っている状況にまでしかあてはめられなかった。

●淀んだ風
 弾の評価。桜の薫る音を目指しているはずが、桜を散らすにも満たないとまで。
 川和の現状維持のスタンスにみられるように、停滞がその原因か。
 美子は舞に届かず、舞は咲良のように前を向けず。先に進めなかったのは神峰だけではない。

Op.48 スプリング 「それは終わりと始まりの季節」

●弾の過去と咲良の今
 弾の「一つの道を失った」話を聞き、4人がやはり想いを馳せたのはおそらく咲良の腕の事。
 「風を感じるもの」のまま別の道を見つけ再起したという話を聞くも、そこに希望を見出した様子は無し。
 心の奥底では咲良にはもう代わるものすらないと思ってしまっていたか。
 これも、神峰が「奏者管崎咲良」のまま新たな道を見つけてもらうという向き合い方へ繋がる。

●「お前に言うことは何もない」
 遮るな どこまでも続くこの道を
 3人とも、突き放すようでヒントを与えていたのは、奥底では助けを求めていたから。
 金井淵だけは、達成するのは自分の力と無理にでも信じ込んで、完全拒絶を決め込む。

Op.49 第5 「かのように扉を叩く者は」
 見えない壁が見えたときには その先にいる人が見える
 5人目の判明。間に横たわっていた拒絶の理由に触れる。

8.png

●永遠に消えない炎に覆われた穴
 トゲのある藪をかき分けてきた 実はまだ始まったとこだった
 崖・茨・炎と険しい道程を表す例えにはあまりに心象じみた表現。
 崖は恐らく、これまで通りの説得による正攻法での攻略ルート。しかし今回は舞台もなく、飛び降りは自殺に値する。
 ヒントを与えられた先の茨、これがここまでの推理編か。行く手阻むは4人の秘密。
 穴にある宝が指揮者の座とするなら、今面している炎、これがスプリングコンサートだろうか。
 秘密を得て超えた先に、対峙すべき燃え盛る心が立ちはだかる。

Op.50 彼女のための歌 「ただ彼女だけを想う」

●「あなたに管崎舞は触れさせない」
 言えないままの痛みが そっと寄り添って歌う
 最後まで語られなかった舞を指す言葉。表すならばこういった言葉でしょうか。
 気遣う壬、寄り添う美子、共感覚に苦しまないよう庇われ続けた舞。
 秘密の理由は、何より舞を守るため。そこに涼の独断専行が合わさり、4人だけで閉ざされた道をゆく。

●閉ざされた扉の前に佇む自身 
 こんなにも そばに 居ても遠く
 心を閉ざす扉は神峰にとっても見慣れたもの。意味は拒絶。
 すなわちそのまま、「心を閉ざす相手に働きかけたい」、自身の心象内でも常に相手を想う、寄り添う心。
 それは後の心が通じ合う、ある意味での心象の融合に繋がってゆく。
 これまで心象に自分以外が居たのは、読切版楓と1話のモコぐらいのもの。
 自らの心を表す中に他人がいることは、それだけの結びつきの強さを表すという事か。


Op.51 自明の理 「構わない、関わらないでは進めない」
 悲しいほど 君に 伝わらない
 あるいは気づいていて 怖かっただけ
●「あたしたちのこと助けてよ」
 舞を でも、もちろん自分を でもなく、「あたしたち」。
 今の5人の限界に気付きつつも、互いに自分で収めようとした停滞。
 そこから、はじめて求めた救いの手。

Op.52 星の舞う庭 「桜を想いそれは舞う」

●「おまえに星合美子は掴めない」
 もっともっと この手を掴んで
 川和のいう「掴めない」、つまり味方にするために「本当に理解することができるか?」という問いかけ。
 美子自身、寄り添うことの本質を掴み切れていなかった。今を続けるため。
 掴まれた結果、美子は舞が自ら乗り越える未来を信じた。
 果たして川和は、それを望んでいたのだろうか?または、できると思っていなかったのか。


Op.53 believe 「今、素直な気持ちになれるなら」
 ここは素直な気持ちで受け取ればよいと思います。
 この時期以降記事更新が滞ったのは、これ以上いう事が無かったからに尽きます。完成形。

●あたしはずっとやってる
 木挽き歌で解説役に回っていた件の伏線回収。厳しく的確な意見は、相手への深い関心の表れ。
 惜しむらくは、それを自分に当てはめることに終始したこと。見ているようで伝わっていない事もあるのが指揮の難しい所。
 認めること、頼ることにもまた勇気が必要。 夢と勇気、憧れ、希望。

Op.54 自由への招待 「会いたいのに いつもうまくいかない」

●壬獅郎の保護者懇談会
 (壬視点で)神峰にほだされた女子2人がおねだりにくるあたり、彼の立ち位置が見受けられる。
 「もしかしたら」は何を達成できると見てか。桜の音は一旦断っている。そうなると、咲良のこと・・・?
 この時点の2人は、咲良が共感覚を取り戻すことが涼も救える着地点と考えていたのかもしれない。

Op.55 虹と桜と鎖鋸 「相反する行く末」

●斬り倒す
 相談を受けたその場でなく、あえて神峰の眼の前で2人に語りかける壬。
 そして、咲良と同じ表現をする神峰に反応を示す。
 後の「気持ちがわかるといえるか?」にも表れるように、やはり壬はある程度能力を察しているように思われる。

Op.56 Still We Go 「全てはここから走り出した」

●なかなかスゴイこと
 誰がその話を咲良にしたのか。それはどのことを指しているのか。
 無難な線では、「これから会わせる相手の紹介としての、半年前入部の指揮者志望といった所か。
 それ以上を、果たしてこれまでの3人が話しうるだろうか。
 ただ、「察しがいい」「妙な事を言う」という能力の片鱗は壬から聞いたようである。
 
Op.57 飛べ 「誰も見た事のない場所をめざして」

●話さない理由
 壬も言うように、ここで庇われているのは金井淵。

Op.58 ラストメロディー   異説 「最後の言葉が まるで貴方のように横切る」

●塩素臭い音
 人それぞれの心があるようにそれぞれの音の姿があるが、様々な音が出せてこその奏者でもある。
 神峰は特徴を伸ばす方向なのであまり音の形を変えないため、バリエーションが描写されているのは刻阪ぐらい。
 では、指揮・指導者が一字一符といわんばかりに指定をあたえたら?そんなもしも。
 この頃の金井淵の心象を推定するなら、例えばピアノ型のプールで楽しく泳ぎ回っている姿だったのかもしれない。
 海ではなく、不自由な人工物の範囲内で。張り巡らされた不安(ピアノ線)を無意識に避けながら。
 それが井戸のようになり深みを得ていった反面、1点だけを目指す狭い穴へと変わり涙で満たすことになる。

●ここから金井淵のターン
 過去の経緯、起こった不幸などが語られるが、究極的に言えば要点は一つ。

 「たとえオレがいなくても」
 金井淵は、例えに過ぎないこの言葉を、呪いのように盲信し続けるようになった。
落としたものを探していくのは どこまでも果てしないから
 いかなる先の見えない道筋でも、償いを信じて目指し続ける。
もう何も言えずに頷く私に聴こえないメロディー
 欠けた人が居るままでは、永遠に到達できない道程とは知らずに。


Op.59 虹を待つ人「使い古した感情は壊れたって動く」

●「あなたに川和壬獅郎は起こせない」
 今を守るために、これ以上の動きを辞めた川和。袋小路で足掻く3人を連れ戻す名目で、その実誰よりも諦めていた。
 だからこそがむしゃらに不確かな前を目指す涼・美子に対し、この言葉を発した舞の心中や如何に。
 守られている自覚から何も言い出せないのか。起こして欲しい反面、前に進めない自分が枷になる。
 彼女に残された言葉は、強がるための「大丈夫」だけであった。

そのドアに鍵は無い
 望みはある。理想はある。しかしその扉を開けることはできない。
 開けることができることもきっと知っている。そして開けた先に待つ苦しみもよくわかっている。
 それでも望みがあれば。理想が欲しければ。その扉は開けてもよいのだと。導き手は語りかける。

Op.60 人間ってそんなものね 「許しあえるって素晴らしい」

●「あなたに金井淵涼は止められない」
これが最後で 構わないから
全てを取り戻し、全てを捨てる。生半可な言葉では曲げられない悲壮な覚悟。
止めることは、それを否定することにもなり、許すことすらできない。
誰も望まないものであるとしても。

Op.61 春の歌   異説 ピアノ曲 「忘れかけた 本当は忘れたくない」

●それは確かに金井淵先輩の心の中にいる
 指揮者志望・神峰とかつての導き手・咲良と比較させた時。
  心にそれがよぎるとき、他の一切は色を失い動きを止める。
 そして文字通り、金井淵の心の奥底では咲良を求めていた。
  それは、自分を塗りつぶし「咲良の代わりとなれていたか」という確認だったかもしれない。
 伊調の指揮が「一番無い」のは、咲良と共に桜の音を入れるべきその場所を別の物で塗ろうとするため。
 バンド全てを使って自身の音を作る伊調と、メンバーを信じ共に楽しむ咲良。相容れない到達点。
 

●「誰にも管崎咲良は代われない」
完璧な理想になりたかったの? 誰かを真似てただけでしょう?
 「誰もあいつのようにはなれない」川和だってわかっていた事。
 片や代替を求め、片や失ったまま残されたものを守る。もう一度、かけがえのないものを得ようとはせずに。

●「オレ言ったぞ!!何回も言った!!無視すんなって!!!何回言わせんだ!!!」
 美子は独り自らの音で舞を救うことを目指しつづけた。 もう導き手はいないから。
 舞は独り抱え込み耐え忍んだ。 兄の言葉を受けながら。
 壬は独り友に従い遠ざけた。 これ以上何も失わないように。
 涼は独りのみの力で桜の音に達することを自らに科した。 それが償いと信じて。

  桜の音は、1人で達成できるものではないのに。

●奇跡
 この物語の終着点はどこにあったのか。
 仮に「今の咲良を認めること」という神峰の狙いを果たしても、金井淵は止まれなかったのではと思います。
 きっとアプローチは変えられた。それでも、もたげる想いで桜の音にはまだ辿りつけない。
 このしがらみを全てほどくには、金井淵が焦がれたピアノを咲良が取り戻すことがきっと必須だった。
 これをもって、初めて金井淵は桜の音に到達できる心を取り戻せた。そのように思うのです。

幻じゃなく 歩いていく
助け合って 肩貸しあって 少し進んでは立ち止まって 
開けようとしないから 知らなかっただけ はじめからずっと自由
すべては夢で あとは目を覚ますだけ
忘れないで どんな時も 希望も 未来も 前にしかない
でも願う 今日こそは狙いを定め隙間を抜けて笑顔の彼方へ
悲しみや苦しみが いつの日か喜びに変わるだろう I believe in future 信じてる。

迷いながら、導かれ道を選びとってきた物語。
場を活かしてきたこれまでと比べ、道を作り出してきたのがこの章で神峰がやってきた事だったのでしょう。
助け合うことから、分かち合うことは始まる。それを求められるか。そんなお話。

9.png

●気になる事
 神峰が導いた以上に、広がった心の繋がり。これが桜の音につながることとなる。
 しかし、これでもなお反応の薄い心がまだまだいる。それをあえて描いている。
 今回のアンサンブルでは神峰もピアノ参加で指揮者は不在。
 この先に、指揮者としての力をもって真に一体となった桜の音、虹の音を目指すのでしょう。

うまく手は繋げない それでも笑う
 それでもきっと、一つのバンドになってゆける。同じ虹を待っているから。目指していけるから。

そんな到達点である、コンクールでの演奏はたった今これから。

ジャンプ+ SoulCatcher[s] Op.+に装いも新たに新たなる章。
 見守るのはこれから。
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プロフィール

戸付湯歌

Author:戸付湯歌
たかが知れている。

思いつきはツイッター経由。
 思考の嗜好であり、試行の歯垢に過ぎない。

主に遊戯王のカードやデッキの考察、自分専用まとめwiki。
たまに漫画・アニメ評とか。
神海英雄先生のソウルキャッチャーズは永遠の魂です。

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