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4×4CO本棚紀稿「市場クロガネは稼ぎたい」

ソルキャロス

SoulCatcher[s]、連載終了です。

連載1話に心を掴まれて以来、捧げに捧げてきた3年弱でした。
作品への想いはコミックス発売頃に改めて綴るとして、今思うところといえばソルキャロス
隔月刊のフラストレーションを経ての日曜連載だったがために、週末の習慣と化した朝の実況を失い普通の連載終了以上に喪失感を味わう層も。

それで代替を、みたいな論は互いの作者に失礼なので使いませんが、自分が「SoulCatcher[s]を好きな理由」と似た理由で応援している漫画をご紹介したいと思います。
他のマンガレビューも上げたいなみたいな話しつつ、何年経過してんだって話になりつつあった概念を引っ張り出してきました。

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市場クロガネは稼ぎたい
 作:梧桐柾木

「世界一経済的な学校」として青少年たちだけの擬似社会生活を描く本作。
 クロガネも部活動という形で起業したり株式上場したりと、ちょっとした職業モノともいえます。
 経済ハウツーとしてのケーススタディのような面でも楽しめます。ある意味最近増えた「漫画で学ぶ」系の一種と言えますね。
 それだけに留まらず、以前「自己啓発系」の一角として紹介したように、精神性のありかたに重きをおかれている作品です。

2012年より週刊少年サンデーのWEB兄弟誌「クラブサンデー」内で受賞、いち新人として連載を開始。
それから後発のWEB掲載専門誌「裏サンデー」の第二波のひとつとして移籍再掲連載を開始。
 現在は古巣にも追掲載しつつ、アプリ「マンガワン」で隔週の最新話とその間の無料オマケ漫画の週交代で実質毎週連載中。

毎週購入のジャンプに対してサンデーは半分ほど立ち読みする程度の集英社の奴隷な私ですが、クラサン時代から唯一この作品だけは毎回読みに行っていました。移籍の際は驚きと同時に喜ばしかったものです。

この作品の評価を端的に述べるなら、「すっごいサンデーっぽい」んです。
どこがそう感じさせるのか、そして何故ソルキャの引き合いとして紹介するのか、そんな想いを綴りたいと思います。



市場クロガネを薦めたい:その1 人は誰でも美しくなれる

主人公・市場クロガネの信条であり、作品全体のテーマ。
学園社会を生き抜く主人公の職として選ばれたのは「人材派遣」
 派遣労働といえば社会問題の一端ですが、それは登録労働者の待遇問題であって、本作で扱うのはどちらかというと人材マッチングといった転職エージェントのような位置づけ。
 人物と直接的に関わるこの職として学園社会に携わることで、経済だけでなく「社会に身を置く人々」を描くことを中心に据えています。
 彼のいう「美しい」とは、「自らの意志をもち未来を切り開こうとする様」とでもしましょうか。
 環境に翻弄され停滞感や閉塞感に苛まれた人々を目にし、クロガネは彼らの意志の赴く先へと導く手伝いをします。

例えばソルキャは心に働きかけますが、最終的に提示するのは「やるか、やらないか」です。
 本作では更に「どうやって、どこでできるか」といった所にも踏み込み、より具体的なマッチングをしているといえます。
 骨子は近いながら、ある意味「ソルキャのさらに先」とも言えるのが引き合いに出した一因です。
 連載開始自体はこちらの方が早いので被り云々で語るものではありません。

市場クロガネを薦めたい:その2 シンボルとしてのキャラクター
 
変態

存在感

へそ

ロリ

だんすぃ

ボス

市場クロガネ
 財版御曹司としての自分を試すためやってきた高等部入学者。
 「人を見る目」を特殊能力の域まで高めた金の左目を誇る。
 頑張る人大好きでテンション高い時と経営者の顔の落差が結構ある。
 主人公でありながら、序盤は導き手としての側面が強い。
 だいたい神峰と手口が同じ。
 ヒーローに必要なのは、さんづけできる信頼感。

朝政ハガネ
 最強生徒会長。
 明確な理想と的確な実行力に裏打ちされたカリスマ。
 主人公が大体高笑いしているのでカッコよさ成分は大体彼女が担ってた。
 ヒロインは守るべきものではない。手を取り合うもの。


エルザ・スチュアート
 副会長。ハガネの会長就任前の後輩でフォロワー。
 面倒見の良い姉ちゃん管理職タイプで序盤は先輩っぽいポジだった。
 奇人変人だけでは話はまとまらないが、良識者は影の薄さで割を食う。


イアラ・ミタル
 会計。祖父の教えで投資を極めた過去を持つが自身の実力に否定的だった。
 今では立派な萌えマスコット。いわゆる御器谷。
 初等部キャラはだいたい天才児。作者の性癖の化身。


クーロン・リュー
 書記として法務担当にして荒事担当。
 嫌儲思想で経済活動に参加していなかった所を引きずり出された。
 登場後、生徒会編からクロガネ中心に進んだためあまり見せ場が無い。
 ジャンプだったらもっと出番もらえた。

覇我カズト
 ランキング4位の資産家で「荒らし屋」と称されるカリスマ経営者。
 独占による「儲け」「覇権」を軸とした、悪とされがちな思想の持主。
 しかし独自の哲学やプライドをもち見事に格好いいライバルとして成立。
 敵役は悪、と二元論で語れないから世界は美しい。


キャラクターのみでみると、さほど濃い作品ではないと思います。
その分、伝えたいことに対するまっすぐさが感じられ真摯。
「キャラクターと物語の相互関係」、この点においての造形の明確さは確かです。


市場クロガネを薦めたい:その3 サンデーらしさとは安心感なり

この作品は、扱う題材「経済」についての説明・ハウツーといった目的意識も強く、非常に教科書的な話題も多いです。
専門モノって作者の経験が出発点にあり、取材を重ねても個人的な憧憬ってどうしても出てくるように思います。
その中で本作は実際に経済界に身を置く作者の兄と共に学び、基礎を重視しているため地に足の着いた作劇を進めています。
結構「こういうケースもありえるよね」と淡々と綴った、客観的なスタンスであったりします。
そういったこれらを極端に美談としたり単純な勧善懲悪で収めない、それぞれの立場への誠実さが後腐れなく腑に落ちる。

 マギとかもそうだと感じるのですが、サンデーって専門的な話や面倒な題材を多少くどくても懇切丁寧に台詞化する傾向あると思うんですよ。だがしかしはそれでもテンポいい方。
 あと、他の雑誌によっては省かれる「句点。」を使う。あれ、流れを切りがちだからテンポが悪くなって気に障る作品もちょくちょくあるんですが、その一拍が丁寧さや重みになって説明台詞には良い効果があると思うんです。
 イアラ講座が定期的にある本作にもその流れを感じつつも、会話による分散や図の併記を駆使してわかりやすく、テンポよくまとめている。

過度に感情に訴えず、ただ意志と視座を描いていく。しかしもちろんそれが実を結ぶカタルシスは心に響く。
ベッタベタな展開もありますが、そういった伝統芸能っぽさもある意味信頼と安心のサンデーらしさではないかなと。
 あと梧桐先生がオマケで語る元ネタの話などがめっちゃ正直で欲望に忠実なのもある意味誠実。


市場クロガネを薦めたい:その4 節操がない

 マンガワンではコミックスPRとして発売直前にクソコラをかましてくるのですが、その中でも結構かっとんだネタをぶち込んでくるのが本作品のノリの一つ。
0895e5dcbca61206fc23bfab9ad6591f.png
 2016年1月の株安

ちょっとスクショ力の関係で最新巻のもの以外引用し損ねたのですが、経済=常に当事者である永遠の時事ネタというわけでその時々の社会情勢を見え隠れさせています。
時にはアオリで「倍返し」とか言っちゃったりね。流行ってるものはパロでも使え。
こういう事前触れなくやってくるので、連載を追う楽しみもひとしお。編集に愛される作品は面白い。
広告掲載という謎企画が興った事もありましたが、どうなったんだろうねアレ・・・
最近「売れなければ打切り」みたいな脅しマーケティングがちょくちょく見られますが、この作品は実際の部数推移の話まで踏み込んだことアリ(8巻PR)。流石に具体的な数字までは出ませんが、テコ入れとか平気で言うし露骨とか言う段階を一歩踏み越えてる。




結構ハウツー面を推しているところがありますが、まおゆう然り「これを読めばテキストになる」っていうわけではないです。
それでもこういった学びの入り口となり得る作品をエンターテイメントとして見せてくれる作品は意義深いものだと思います。
堅苦しい選択理由でなく、単純に「難しい・知らないと思っていたことも楽しいんだ!」と思えることがいいのです。

キャラクターの男女比も多少女子に寵愛が寄っていますがまんべんなく配され、老若男女問わず楽しめる作品だと思います。
自己啓発の目的、発想の転換はそのとっかかりの数を得ることから始まる。
様々な想いをもったものに触れ、それを楽しめるといいなと思いオススメさせて頂きました。お粗末。
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プロフィール

戸付湯歌

Author:戸付湯歌
たかが知れている。

思いつきはツイッター経由。
 思考の嗜好であり、試行の歯垢に過ぎない。

主に遊戯王のカードやデッキの考察、自分専用まとめwiki。
たまに漫画・アニメ評とか。
神海英雄先生のソウルキャッチャーズは永遠の魂です。

主要記事
遊戯王 過去の妄言
ご当地大戦 布教用考察
SoulCatcher[s]章別感想

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