次元の闇の側面-遊戯王映画感想

マッドマックス、ガールズ&パンツァーあたりにつづき、遊戯王の民も讃せどもネタバレせずの精神で集合しているあたり、決闘者たちの意識の高さを感じますね。我々もネットワークの元集合意識として上の次元に至ろうとしているのかもしれない。

というわけわからない感想を持ちたくなるぐらいには満足感に溢れた劇場版遊戯王The Dark Side of Dimensions

ただただ120分続く映像の暴力に圧倒されるだけも良し、しかし細々とした要素にも面白い所が多数、ぜひ語りたい。
不特定多数の目に触れる場所で語るにためらうのならば、まあもう3週目だし個人スペースでネタバレ感想させて頂きたく思います。
唯一、「アテムは出たのか」だけは伏せておこうかと。

あ、結構否定的な話題もあるんで閲覧注意です。個人としては嫌いでなかった割に、纏めるとアレ?ってなった。

●メインストーリーについて

闘いの儀によりアテムの現世での物語は終わりを告げた。しかし遊戯たちの物語はまだ続いていく。(原作最終回)
そんな彼ら仲間たちも高校卒業の時期が迫り、将来を考えていた。

一方バトルシティ準決勝での決着後、好敵手に旅立たれ雪辱を果たす機会も断たれた海馬瀬人。
再び相見えるため、彼が居ると思われる冥界・高次元に干渉しうるシステムの開発と、依代となる千年パズルの発掘・復元を進めていた。

そこに現れた藍神たちの一派。彼ら「プラナ」はシャーディーの元、王が冥界に還ることで開かれる扉を経て高次元を目指す者達だった。
そして扉を閉じることとなる王の復活を阻止せんと対立。海馬の始末は間にあわなかったが、千年パズルの完成妨害は果たす。

一方で藍神は王を呼ぶ器となる遊戯にも接触。そこでシャーディーの仇である獏良に遭遇、城之内と共に低次元に追放する。

海馬はパズルのピースを奪い去った藍神と器たる遊戯をデュエルリンクス完成披露イベントと称し招喚する。
その場で藍神を倒した上で復活させたアテムとの再戦を目論むが、獏良を救うため遊戯が藍神に挑む。
藍神の猛攻をしのぎ必殺コンボにて倒した遊戯。そのまま襲い掛かかってきた海馬と対戦。
しかし藍神が異形の姿に変貌し次元の崩壊を始める。これを止めるためタッグで挑む遊戯と海馬。
襲い掛かる邪神に膝をつく遊戯。その最後のドローは…。


私の記憶と理解が正しければ、大筋はこんな感じですよね。
勢いに任せてみる分には面白いんですが、よくよく纏めると結構「ん?」となる筋だったりします。

おそらくですが、この物語の要旨としては
 ●回収が不完全だったシャーディーに関する伏線を10年越しで回答
 ●王の記憶編後出番の与えられなかった海馬のその後と精神的決着
 を描くために藍神という存在が肉付けされたんだろうなと考えられます。
完結とされていた物語に、ただのエクストラステージにとどまらずここまで誠実に残された要素を描ききったのは流石原作者監修だなと嬉しくなるものです。

一方で、ストーリーテラーとして生まれた藍神君の動きをまとめると
●絡んできた不良を罰ゲームでもなく一方的に処理する
●海馬に次元領域決闘で挑みロックをかますも、突破され形勢不利に 時間制限でドローゲーム
●妹にピースを預けたら器本人に託されてた
●シャーディーの仇(の器)の懺悔を聞き入れず始末 城之内はついでに始末するも自力で復活
●海馬に捕まる
●器の始末を目論むも無限ループハメられて返り討ち
●バリアルフォーゼ
●やけくそで世界滅ぼす
●ボスラッシュし追い詰めるもシャイニングドローで返り討ち

ぶっちゃけ、藍神くんいいとこなし・・・・・・。
悪役って順調に暗躍してたところを最後だけ主人公に妨害されたりで格をもつように思うんですが、藍神くん苦し紛れのパズル強奪しか成功させてない・・・。それもセラさんに裏切られてる・・・。
使命と悔恨で揺れるキャラクターでもあったのでしょうが、恨みからの行動を否定されても反論できないし、その割に突貫して失敗するし・・・。
彼の格のためにも、城之内か獏良を決闘で負かすくらいさせてあげてもよかったんじゃ・・・。とはちょっと思ったり。
 おそらく、この辺も大幅に削られた原案の一部だったりするのかも。

遊戯はほぼアテムを送りだした時点で決着しており、ぶっちゃけ獏良を囚われのヒロインにして無理矢理壇上に上げられた立ち位置。基本的に海馬と藍神に因縁つけられてモテモテだっただけ。
城之内に至っては巻き添えで囚われて自力で帰ってきた上に決闘も無いという本筋に全く絡んでないある種の道化。
 藍神の能力や思想、世界観設定の説明を演じるとかそんな役割。
 もちろん、遊戯の「海馬とちゃんと対決する」っていう夢も地味に果たせてたりするんですけどね。

そういう意味で、海馬の物語としての側面が大きかったように思います。
実際、発表時の直筆ビジュアルは海馬が中心なんですよね。

●その兄サマですが

年齢設定はそんなに進んでいないのに時代感とテクノロジーだけ現代近未来レベルにぶっ飛んでて、バトルシティ終了後のミッシングリンクが凄まじい海馬コーポレーション。
時代設定的にはZEXAL・ARC-Vは世界線微妙なもののGX・5Dsより前になるはずなのですが、どう見てもネオドミノシティよりテクノロジ―高そうである。ユベルを宇宙に飛ばすどころか社長がエレベーターで宇宙行ってる。ヤバい。
ARとか質量とかソリッドヴィジョンばかり進化させていたかと思えば、海馬コーポレーションはニューロンネットワークにカード現物ごと移行していた。
携帯もスマホになってたしね・・・。ロングランコンテンツのジレンマここに極めたり。

それを「全てアテムのため」と言い張ると、兄様のモチベーション半端無さすぎる。
完全にアテムがヒロインである。「俺の中の都合のいいアイツが欲しいんじゃない」みたいなこと言っちゃってるしね。

本作は、アテムにすさまじいヤンデレで迫る一人の男の妄執である。

WJ読切版も、「そっち行けるようにオレ頑張る」っていじらしすぎる。

そんで津田さんが必要以上に荒ぶるもんだから、挙動ひとつひとつがシリアスな笑いを纏っていて面白いのなんの。
海馬劇場、全5戦中海馬の参加する決闘が4戦あるあたりも合わせて、半分近くはそれが占めてる。


●デュエル演出について

ある意味ゲーム漫画の宿命でありつつ、名実共にこの映画一番の見所となる、決闘シーン。
ストーリー興味ない人にも、物語の一部として対戦を見る人にも、どっちにもスキ無く薦められる。

この映画では藍神による「次元領域デュエル」という特殊ルールがあります。
 ●召喚→アドバンス召喚の必要が無く、精神力で攻守が変動する
 ●戦闘→超過分の戦闘ダメージではなく、破壊モンスターの攻撃力分のダメージ(いわゆる直火焼き効果に類似)

このルール自体は現行ルールとはまた違った戦略性があるといえ、実際読切漫画では海馬もそれを利用した戦略を披露しているのですが、作中では遊戯と海馬が強プレイヤー過ぎて常に最大値=通常ステータスで展開してしまい、あまりルールは有効されていないのが残念な所。
藍神自体、元々の攻撃力のないシリーズを使って対策しているのだから地味に姑息な男である。お前、実は精神力たいしたことないだろ?豆腐メンタルおにいちゃん。
超過ダメージより大きくなりがちなダメージを負いやすいことで、応酬が派手になる程度か。

一方で遊戯対海馬はちゃんと正規ルール、それも8000ライフで描かれているので普通にデュエルとしても見ごたえ十分。
今作の特長として、カード効果の説明は最低限かつ、プレイングの説明も省略(儀式魔法発動とかいわない・セットとか言わずに伏せながらターンエンド)も多く、めちゃくちゃテンポがいいところが挙げられます。
効果も強力でも単純かつ直感的なものが多く、処理の多い効果といえばアップル→レモンぐらいまで。これも「同じ効果を持つ!」でスパッと展開。ヴィジャムもテキスタイズすると細かいですが、「アンディメンション化!」と言われればほう、としか。

強力モンスターを召喚し、罠の応酬を潜り抜けながら突破し、次の布石を打って即座に相手のターン。このスピーディなゲームシステムこそ遊戯王の魅力だよなと再確認できます。
 もちろんプレアデスのような強力な制圧を掻い潜る知力と読み合いの戦いも楽しいんですが、長くなりがちな心理フェイズを出来る限り排除してひたすら踏み越えて圧倒させるのもまたこのゲームだな。と。

●こんだけ言っておいてどの口が薦めるか

総感として、映像に関しては文句なし、ただしストーリーは描写不足で想像・補完の余地を残す部分が多いかな?といったところ。
2時間といえば週観アニメ4~5話分、なまじ原案が1クールもつレベルの分量ってのもあながち間違いではないかも?
総集編のような再構成映画版ぐらいの気持ちで見て丁度ぐらい。暴力的な情報量。
集合意識とか次元干渉とか、結構難しい概念の話もしてるし行間も多いので、思索や妄想のネタにも優秀なんですよねこれが。
藍神ちゃんボコボコに叩いちゃったけど、こういうダメっこも萌えキャラの一種と思えばアリでしょう。うん(自己納得)

いやらしい話をすると、来週(この記事は公開3週目に上げてます)から配布の《守護神官マハード》ら特典カードは映画代を大方取り戻せるような額で売れるカードなので、ただ映画を見るだけでも非常にローコスト。ムビチケで亜白龍もとってれば収支+になるぐらいという大盤振る舞い。

つまり、いろいろ言いましたが、アドしかない。これだ。
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